不動産を売却したいと思った時、インターネットで相場や売り方等を調べる方が多いと思います。そんな時、多くの方が目にする「不動産一括査定」。
「不動産を高く売却する方法」
「一括査定で最高値に出会えました」
「カンタン1分査定!」
という謳い文句を見るとついついクリックしてしまいますよね。
ただ、このような広告には注意した方が良いです。
全てがダメというわけではないのですが、「実際に利用してみるとイメージと全然違った、、、」というご相談が、以前から弊社にも数多く寄せられております。
このコラムでは、不動産一括査定を利用する際に知っておくべきことについて解説します。
不動産一括査定の仕組み
そもそも「不動産一括査定」とはどういうもの?
「一括査定」という言葉通り、ご自身の不動産情報を入力すると複数の不動産会社(2~6社くらいに設定されているサイトが多いです)に一括で査定依頼を送ることができ、各社で算出した査定額を提示してもらえます。
「1社だけに相談するのはなんだか不安。でも何社も回ったり、自分の不動産情報をその都度伝えるのも大変、、、」そんな方に向けたサービスです。
勘違いしやすいポイント① AIの自動査定ではない!不動産会社が対応します。
査定依頼をされたお客様に状況聞き取りの為連絡すると、「入力が終わったら自動で価格が表示されると思っていた。電話が来てびっくりした。」と言われることがあります。
1分の入力ですぐに査定結果が表示されそうな感じに書かれているサイトも多いのですが、実際にAIが自動査定するサイトは現状ほとんどありません。
お客様が入力した不動産情報は加盟不動産会社に送信され、各不動産会社がそれぞれの方式で査定額を算出して連絡してきます。
入力した情報を送信した直後からしばらくは電話が鳴り止まないことが多いので、極力対応できる余裕がある時に査定依頼をするのがおすすめです。
勘違いしやすいポイント② 「個人情報を知られたくないから住所は途中までの入力にしよう」はNGです!
不動産一括査定サービスは基本的に、一括査定サイトと加盟不動産会社にお客様の個人情報をご提供頂くことを前提としているサービスです(一部、匿名で査定を受け付けていることを売りにしたサイトもあります)。
にもかかわらず、個人情報を知られたくないからか、査定サイトの入力フォームが分かりづらいのか、査定物件の住所を途中までしか入力されていないお客様も相当な数いらっしゃいます。
しかし、不動産の価格は立地条件によって大きく異なる為、査定地を特定できない場合は正しく査定をすることができません。
同じ「葛飾区金町3丁目」だとしても駅までの徒歩距離は5~15分とばらつきがありますし、土地の形状や道路との接し方(接道)によっても価格は変わります。
「何丁目」くらいの情報から算出されるざっくり価格で良いのであれば、わざわざ一括査定を利用する必要は無いでしょう。
そういう場合は「葛飾区〇〇 土地 相場」「マンション名 相場」等で検索してみることをお勧めします。
不動産一括査定で陥りやすい落とし穴
勘違いしやすいポイント③ 車の一括査定とは同じようで全然違う!同じイメージでいるとハマる落とし穴
不動産ではなく車を売る際にも一括査定というものがありますが、利用した事はありますか?
私は昔、車を手放す時に一括査定サイトを利用しました。
同じ「一括査定」でも、不動産と車では大きく違う点があり、それを理解することで不動産一括査定の特徴を掴むことができると思いますので、少し長くなりますが解説します。
実際に車の一括査定を利用した時の流れ
車の車種や年式を入力すると、情報を送信した直後に複数の買取業者から電話がありました。
まずは電話で簡単に状況の聞き取りをされます。
その後は担当の方と予定を合わせて、現物の調査に来てもらいました。
その場でウチに売るか決めてくださいと言う業者もいれば、査定額を提示してくれてその日は終わりの業者も。
私は連絡をくれた業者さんには一通りお会いして、後日に業者を決めて売却の契約をしました。
「一括査定」不動産と車の大きな違い
上記のような一括査定の流れは、車も不動産もほぼ同じです。
ただ大きく違うのは、査定をするのが車の一括査定では「買取業者」、不動産の一括査定では「仲介業者」だということ。
買取業者の査定の場合、提示された査定額や条件に自分が納得すればその価格で売却を確定できるので、「査定額=売却価格」となります。
つまり、複数社の中で一番良い条件・価格を提示してきた業者に売れば「最高値で売却」できたことになるのです。
仲介業者の査定の場合は業者自身が買うわけではないので、一般の購入客に対して売り出した場合に「いくらで売れそうか」という価格の提示になります。
という事は、「査定額=売却価格」になるとは限りません。売り出した後に反響が無ければ価格を下げる等して、実際に買主が購入を決めた時の価格が売却価格になります。
不動産一括査定の落とし穴
ここで注意したいのが、
実際にSUUMOやホームズ等のポータルサイトに売り出す際、
物件の価格は売主様と仲介業者で相談して自由に決められるということ。
売り出してみないとその価格で本当に買い手がつくかどうかは分からないということ。
そして、
査定額に法的な責任は無いということ。
これがどういうことか分かるでしょうか?
実際には3000万円なら売れそうな(買い手がつきそうな)物件があったとしても、査定額を提示する時には「ウチなら4000万円で売りますよ!」と無責任に言うことができてしまうのです。
購入客が現れるであろう「適正(相場)価格」と実際に売り出した価格が大きく乖離している場合、長く売れ残る可能性が高いです。
なかなか売れない場合には仲介業者から「価格を下げてみましょう」という提案がありますが、長期間売れ残っているイメージがついてしまうと「当初売れそうだった3000万円まで下げても売れない!」ということもしばしば起きます。
その結果、最初から3000万円や3100万円で売り出していれば3ヶ月以内に成約したであろう物件が、4000万円で売り出した為に全く売れず、1年以上かけて少しずつ価格を下げて2800万円でようやく売れた、、なんてことが起こったりするのです。
高値をつければ自分の会社に任せてくれるからという理由で、売れないと分かっていながらそのようなことをする業者は、残念ながら実際にいます。
冒頭で「一括査定で最高値に出会えました」という広告に注意!と書きましたが、これを単純に正解と言えるのは、車のような「買取りの」一括査定の場合です。
不動産の査定では、最高値を提示した業者に任せることが必ずしも正解とは言えません。
そういう広告を作っている人は、不動産の売却の仕組みが分かっておらず、車のような買取りの一括査定と混同しているのでは?と思ってしまいますね。
アフェリエイト広告で稼いでいる人が確信犯でやっているのかもしれませんが、、、
不動産一括査定に向いている人、向いていない人
では不動産一括査定は利用しない方が良いのかというと、そのようなことはありません。
ここまで述べてきた内容を理解して、うまく利用すれば多くのメリットがあります。
ただ、「誰もが利用するべき」とまでは言えないので、不動産一括査定に向いている人、そうでない人について解説します。
不動産一括査定に向いている人
・任せても良いと思える不動産会社がまだない
・1社だけではなく、何社か話を聞いてみたい
・不動産会社と電話やメールでやり取りをするのが苦ではない
一括査定の最大のメリットは複数社に同時に依頼をかけられることです。
何社か話を聞いて、自分に合う不動産会社や営業担当を見つけるのが大きな目標になります。
どこの会社に任せるのが良いかを見極める為、複数人とやり取りする必要が出てきますので、それが苦でない人であれば不動産売却の良いパートナーを見つけることができるかもしれません。
不動産一括査定に向いていない人
・入力が終わったら、ざっくりで良いので目安金額をすぐに表示して欲しい
・売る気は無いので不動産会社の人と連絡を取るのは嫌だ
・ちょっと価格が気になっただけなので、時間をかけて話を聞きたくない
不動産一括査定を利用すると複数社から電話やメールが来ます。
売るつもりであれば遅かれ早かれ不動産会社の話を聞く必要は出てきますので、ちょっと頑張って話を聞いてみるのもありだと思います。
しかし、高く売れそうだとしても売るつもりがないのであれば、不動産会社からの電話やメールの対応をするのは非常に面倒な作業になるでしょう。
もっと楽に、ざっくりで良いから価格の目安を知りたいのであれば、「(地名) 土地 相場」「(マンション名) 土地 相場」等で検索して面積あたりの価格を確認してみると良いと思います。
まとめ
不動産一括査定の実情をお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか。
大切なお家を売るわけですから、正しい知識や相場を知って、良い不動産業者に売却を任せたいですよね。
次回のコラムでは、「私が自宅を売却する際に不動産一括査定を利用するとしたらどのように使いたいか」という観点から、一括査定をうまく利用する方法と不動産業者の選び方を解説します。
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