中古物件の魅力を演出するホームステージングとは？5つのメリットと2つのデメリット

わずか6秒で決まるといわれている物件の印象。

欧米では当たり前になっているホームステージングとは、売りに出している中古物件の室内を家具、照明、小物などでモデルルームのように演出する手法です。

内覧に来た購入希望者の印象を良くすることで、中古物件の売却をスムーズにする効果があります。

日本よりも中古物件市場が活発なアメリカや欧米ではホームステージングは当たり前ですが、近年市場が活発化してきている国内でも俄かに注目が集まっています。

この記事では、近年とくに高い注目を集めているホームステージングの魅力や行うべき理由、メリットとデメリットをわかりやすく解説していきます。

これから中古物件を売りに出そうと考えている方、または早急に高く売りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもホームステージングとは

冒頭で、モデルルームのように室内を演出する手法のことをホームステージングと呼ぶと説明しましたが、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか。

はじめに、ホームステージングの基本概要から説明していきます。

中古物件を良く見せるために演出する

日本ではまだ知名度が低い手法ですが、とくに欧米ではホームステージングを行うのは一般的。

具体的には、もともと何もない室内を家具、照明、小物で装飾し、物件の魅力を引き出したうえで内覧に来た方へ良い印象を与えるために演出する手法を指します。

中古物件の『高値売却』と『早期売却』の両方を実現してくれるホームステージングは、基本的にはプロのホームステージャーにより行われるため、購買層を意識した演出がされます。

そのため、物件が持っている本来の魅力を最大限にアピールできるようになるのです。

空室の場合は、購入希望者が足を踏み入れた瞬間に生活をイメージできるようにするため、家具や小物を設置し照明で演出します。

居住中の場合は反対に、生活感を極力減らす演出を心がけてホテルのような空間を演出します。

冒頭でも説明した通り、物件の印象は家に足を踏み入れてから「わずか6秒」で決まるといわれています。そのため、何よりも重要視すべき第一印象です。

何もない室内を見るよりも、まるでモデルルームかのように綺麗に演出された室内を見て回る方が内覧に来た購入希望者の心象が良いことは間違いありません。

日本ホームステージング協会が実施した調査でも、合わせて95.9％の方が「ホームステージングは非常に効果があった」「多少は効果があった」と回答しています。

費用はプランによりさまざま

ホームステージングにはさまざまなプランがあり費用は異なりますが、相場は7～10万円です。

家具は設置せずに小物だけ、家具や小物もすべて設置するなどでプランが異なり、設置する部屋の広さでも料金が変わります。

また、前述した同資料によると、ホームステージングの費用は以下の割合で負担されています。

• オーナー負担（65.9％）
• 不動産会社負担（40.9％）
• オーナーと不動産会社が折半（4.5％）
• その他（4.5％）

オーナーか不動産会社が費用の全額を負担するケースがほとんどです。

その他の部分は、コンサルティングの一部として無償で行う場合などが該当します。

家を売るために別途費用を支払うのは嫌だと考える方も多いですが、アメリカのコールドウェル銀行による調査では、ホームステージングを行った物件は行わない物件に対して6％以上も高く売れたというデータがあります。

物件は数千万円単位の大金が動くものなので、十数万円をホームステージングに費やす価値は十分にあると考えられています。

実施する方法は全部で2種類

ホームステージングを行うには、以下で紹介する2種類の方法があります。

• DIY
• 業者へ依頼

手軽かつ費用を抑えることができるのがDIY。

自分の手で居住空間を演出するため費用は抑えることができますが、自分自身ですべて行う必要があるため手間がかかります。

また、プロのようにインテリアに関する知識もない場合があるため、モデルルームような魅力的な空間を作ることは初心者には難しいといえるでしょう。

ホームステージングの実施でおすすめしたいのは専門家への依頼です。

清掃、購入、配置のすべてを行ってくれるため費用は必要ですが手間はかかりません。

また、プロのホームステージャーが購買層を意識した内装にしてくれるため、魅力的な室内を演出できます。

ホームステージングのメリット

ここからは、ホームステージングを行うメリットを5つ紹介していきます。

物件を魅力的に見せられる

ホームステージングの最大のメリットは、中古物件をまるで新築物件のように綺麗に演出できる点です。

モデルルームのように様変わりするため、購入希望者に対して驚きだけではなく感動を与えることができます。

もともと中古物件というのは、実際に内覧した時に生活感や古臭さを感じてしまうケースが多いため、一目見ただけで「住みたい！」という感情を与えるのは難しいもの。

しかし、ホームステージングでモデルルームのように演出しておけば、その物件が持つ魅力を最大限に見せることができるため、購入希望者に対して大きなインパクトを与えることが可能です。

内覧の際にオーナーが最も考えなければいけない点は、購入希望者に対して「こんな家に住みたいな」と思わせることです。

そのための演出を施し魅力を最大限に伝えられることが、ホームステージングの大きなメリットであるといえます。

売却期間を短くできる

ホームステージングを行った物件と行っていない物件では売却期間に差があります。

日本ホームステージング協会が2017年に発表した資料によると、売却するまでの平均日数で以下の結果が出ました。

物件	ホームステージングした場合	ホームステージングしていない場合
マンション	40日	124日
戸建て	88日	210日

マンションと戸建ての両方で、ホームステージングした方が売却までの日数が短いことが結果から見てわかります。

売却期間が長くなると当然ですが現金は手に入らず、その後の行動も順繰りで遅れてしまいます。また、期間が長くなればその分だけ固定資産税等の支払いも続きます。

売却期間を短くできる大きな要因として考えられるのは、第一印象の違いです。

不動産売買において物件をどのように見せるかがいかに重要であるかは、上記結果から一目瞭然になっているといえるでしょう。

売却価格を上げられる

前述した同資料によると、ホームステージングで演出した物件は平均して約23万円も高く売却されています。

ホームステージングを実施する平均的な費用は7～10万円なので、早期売却を実現できるだけではなく高値で売却できるというメリットがあるのです。

ホームステージングを実施すると高値で売却できる理由は、人気を集めることができるからです。

問い合わせや内覧などの問い合わせが少ない物件は「人気がない」と判断されるため、仲介業者から値下げを薦められるケースがあります。

しかし、問い合わせや内覧希望の方が多い物件は需要が高いのが一目瞭然なので、仲介業者は少しでも高く売却しようと考えます。

売りに出している物件は少しでも高く売りたいと考えるのが当然なので、売却価格が上がるというのは大きなメリットです。

集客アップに繋がる

中古物件を購入する際に購入希望者が参考にするのは、価格、間取り、内装の写真などです。最近ではインターネットを利用した集客が一般的なので、モデルルームのように綺麗に演出された室内は見栄えが良くなり、多くの方へ効果的なアピールができます。

室内に何も置かれていない閑散とした部屋よりも、家具や小物が置かれて綺麗に演出された部屋の方が見てみたいと感じるのは当然です。

そのため、ホームステージングの実施前後では集客においても大きな差が出てくるのです。

競合物件との差別化

冒頭でも説明した通り、近年では中古物件市場が活発化しています。

そのため、同じような価格帯で似たような間取りの物件は他にも多く販売されています。

その中から自分たちの物件を良く見せるためには、何かしらで競合物件との差別化を図らなければいけません。

その何かしらが、「ホームステージング」です。

ホームステージングによりモデルルームのような室内にすれば、閑散とした競合物件よりも魅力を伝えることができ、「住みたい」と思ってもらえます。

購入希望者にインパクトを与え少しでも頭に残るためには、競合物件との差別化は常に検討しなければいけません。

ホームステージングのデメリット

最後に、ホームステージングのデメリットを解説していきます。

必ず高く売却できるという保証がない

ホームステージングを行っても必ず高く売却できるわけではありません。

そのため、売却価格によっては実施しなかった方が利益が多くなる場合もあります。

また、中古物件は室内だけではなく築年数、立地、外観などをトータルで見てから購入を判断するため、いくら室内だけモデルルームのように綺麗に演出されていても、他の条件により購入を見送られる可能性もあります。

ホームステージングを実施する前に、費用対効果については検討した方が良いでしょう。

居住中の実施が困難

ホームステージングは空室だけではなく住みながらでも可能ですが、居住中の実施が困難というデメリットがあります。

居住空間のホームステージングは生活感を排除するという目的で行われますが、本格的に実施するためには使っている家具などを撮影時に搬出しなければいけません。

実際にその物件で居住している場合は手間がかかり、面倒が増えてしまうというデメリットがあることは忘れてはいけません。

まとめ

中古物件の魅力を演出するホームステージングの基本概要とメリットデメリットを紹介してきましたが参考になりましたか？

室内を綺麗に演出することで物件の魅力を最大限に見せることができるメリットがある一方で、必ず効果が出るわけではないというデメリットもあります。

また、決して少なくない費用がかかることも忘れてはいけません。

しかし、売却期間が短くなり価格が高くなるというのはデータで証明されているもの。

室内を綺麗に演出することで内覧希望者を多く募れますので、高く早く売れる可能性が高くなることは紛れもない事実です。

物件の売却を考えている方、または売れないと悩んでいる方は、ぜひホームステージングの利用を検討してみてください。

少しでも高く不動産を売りたいという方は、気軽にイエステーション館林店へご相談ください。

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