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2023年2月2日不動産を購入する時は土地や建物の購入代金だけではなく、それぞれ異なるタイミングで各種税金の支払いが必要になります。
どのような税金をいつ支払うのかをきちんと押さえていなければ、住宅ローンの適切な資金繰りはできません。不動産を購入する資金のなかに税金の支払い費用も事前に組み入れておくことで、購入時に必要な税金の支払いを円滑に行えます。
この記事では、不動産購入時にかかる税金の種類と安く抑えることができる優遇制度(軽減制度)について詳しく解説していきます。不動産の購入を考えているすべての方が覚えておくべき知識なので、ぜひ最後までご覧ください。
不動産購入時にかかる税金の種類
人生で最も大きな買い物である不動産の購入。滞りなく支払いを完了させるためには、不動産の購入代金だけではなく各種税金の支払い代金も必ず用意しておく必要があります。
不動産購入時にかかる税金は全部で4種類です。
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 消費税
不動産を購入する時は土地や建物の費用だけではなく、税金を支払う費用も必要です。ここからは、各種税金の概要と税率をわかりやすく解説していきます。
印紙税
不動産を購入する時は売買契約を結ぶことになりますが、その際に必要なのが印紙税です。
- 不動産売買契約書⇒土地や建物を買う時に交わす契約書
- 金銭消費賃借契約書⇒住宅ローンを借りる時に金融機関と交わす契約書
- 建築請負契約書⇒建物を建築する時に交わす契約書(注文住宅を建てる方のみ)
印紙税とは、印紙税法により定められている課税文書に対して課税される税金です。上記で記載した契約書が不動産を購入する際に発生する課税文書であり、印紙税額は文書に記載されている金額で変動します。
契約金額 | 税率 |
1,000~5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万超~1億円 | 6万円 |
1億超~5億円 | 10万円 |
5億超~10億円 | 20万円 |
10億超~50億円 | 40万円 |
50億円超~ | 60万円 |
※条件を満たせば、軽減制度により税額を下げる事が可能です(後記)。
不動産を購入する際に発生する課税文書には収入印紙を貼らなければいけませんが、その印紙に印鑑を押すか署名をすると印紙税を納めたことになります。
各種文書でそれぞれ印紙税が発生しますので、課税文書に記載されている額を参考に必要となる印紙税を事前に確認しておきましょう。
登録免許税
売主から土地や建物を購入した後は、法務局にて不動産の所有権を自分のものへ変更する登記手続きが必要です。その際に発生する税金が、登録免許税です。
この登録免許税は、新築物件を購入して自分で建物を建てた時は所有権保存登記をするタイミング、売主が別にいる中古物件を購入する時は売主から買主へ所有権を移転するタイミングで支払います。
税額は土地と建物の固定資産税評価額に税率をかけて計算しますが、新築でまだ評価額が付けられていない場合は、法務局が認定した課税標準価格に税率をかけて計算します。
登録免許税は登記の種類により税率の違いがあります。また、住宅が省エネ性能等により特定認定長期優良住宅や認定低炭素住宅と認められた住宅の場合には、建物の税率は軽減されます。
土地 | 2.0% |
建物(新築) | 0.4% |
建物(中古) | 2.0% |
固定資産税評価額は各市町村が3年に1度のペースで見直しており、建物は建築価格の50~70%、土地は流通価格の70%が一般的な相場であるとされています。
この計算式に則り算出すると、評価額4000万円の中古物件を購入した場合の登録免許税は80万円となります。大きな金額が必要になる税金なので、必ず支払い費用として事前に計算しておきましょう。
不動産取得税
不動産取得税は不動産を取得した時に1回だけ支払う義務がある税金です。
不動産を取得した時に取得したすべての方に対して課税される税金なので、土地や建物の購入の有無は問われません。そのため、贈与により不動産を取得した場合でも課税されます。
不動産取得税は、固定資産税評価額と定められた税率(土地と住宅は原則3%)をかけて計算します。計算式に則り算出すると、評価額4000万円の中古物件を購入した場合の不動産取得税は120万円です。
ちなみに、土地と建物が分かれていないマンションの場合は、専有部分と共有部分を割り当てた土地面積を足して算出します。
消費税
土地の売買や住宅用の家賃は非課税ですが、それ以外の不動産購入時にかかる費用の大部分で消費税(税率10%)が課税されます。
- 建物の建築費用(注文住宅を建てる場合)
- 建物の購入費用
- 不動産仲介手数料
- ローンの手数料
- 登記を司法書士にしてもらう場合はその手数料
不動産の売買において土地は非課税ですが、建物部分は課税対象です。しかし、売主が課税事業者ではない個人であれば非課税になるケースもあります。
不動産購入時にかかる税金を安く抑える方法
前述したように、不動産購入時には購入代金だけではなく各種税金が課税されます。
決して無視できない膨大な金額になる税金ですが、それぞれ軽減措置を適用することで費用を安く抑えることが可能です。
ここからは、不動産購入時にかかる税金を安く抑えるための方法を解説していきます。
印紙税の軽減措置
不動産売買に関する重要書類を作成する時に必要な印紙税は、以下の条件に該当する契約書の場合は軽減措置が適用されます。
- 記載金額が10万円を超えている
- 令和6年3月31日までに締結されている
これらの条件に該当していれば、土地や建物を売買する時に作成される契約書はもちろん、売買金額の変更などで契約書を作成し直した場合でも軽減措置の対象になります。
軽減措置が適用された後の印紙税は以下の通りです。
契約金額 | 税率 | 軽減税率 |
1,000万超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億超~10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億超~50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超~ | 60万円 | 48万円 |
印紙税は課税文書に収入印紙を貼り付けて消印を行えば納税したことになりますので、わざわざ支払うために何かを記載したり税務署へ行く必要はありません。
ちなみに、税務調査により収入印紙を貼っていない課税文書が発見されると、過怠税として通常の収入印紙の3倍の支払いが必要になります。
不動産取引で契約書に記載される金額は大きくなりやすいので、印紙税の負担は決して軽いものではありません。収入印紙の貼り忘れには十分に注意しましょう。
登録免許税の軽減措置
不動産を登記する際に必要な登録免許税は、令和4年度の税制改正により最大で令和6年(2024年)3月31日まで軽減措置が適用されることが決定しています。
土地の所有者移転登記に関しては期限内であれば条件なく軽減措置が適用されますが、建物の購入で軽減税率を適用する場合は以下の条件を満たしている必要があります。
- 居住用の家屋
- 新築または引き渡しから1年以内に登記をする
- 床面積が50㎡以上
- 市町村が発行する住宅用家屋証明書を取得している
- 一定の耐震基準に適合している家屋又は昭和57年1月1日以後に建築された家屋であること
条件を満たしている不動産が期限までに登記を完了した場合、登録免許税の軽減税率が以下の通り適用されます。
土地は令和5年3月31日、建物は令和6年3月31日が期限となっています。
種類 | 税率 | 軽減税率 |
土地 | 2.0% | 1.5% |
建物(新築) | 0.4% | 0.15% |
建物(中古) | 2.0% | 0.3%、0.1% |
本則通りであれば評価額4000万円の中古建物を購入した場合の登録免許税は80万円ですが、軽減税率が適用されると12万円です。ちなみに、不動産会社が買い取り良質なリフォームを行った中古住宅の軽減税率は0.1%となり、さらに大きな軽減税率が適用されます。
登録免許税の軽減税率で注意すべき点は、令和5年3月31日までの期限が定められているということです。本則の登録免許税は負担が非常に大きいものなので、不動産の購入を考えている方は軽減税率が適用されている期限内で検討してみましょう。
不動産取得税の評価額控除
不動産取得税は地方税なので、納付先は国ではなく都道府県です。
原則として4%の不動産取得税率は、2024年3月31日までの取得に関しては軽減税率が適用されて3%まで引き下げられています。さらに、建物の評価額から一定金額を控除してもらうことで税金を安くすることができます。
新築日 | 控除額 |
1954年7月1日~1963年12月31日 | 100万円 |
1964年1月1日~1972年12月31日 | 150万円 |
1973年1月1日~1975年12月31日 | 230万円 |
1976年1月1日~1981年6月30日 | 350万円 |
1981年7月1日~1985年6月30日 | 420万円 |
1985年7月1日~1989年3月31日 | 450万円 |
1989年4月1日~1997年3月31日 | 1000万円 |
1997年4月1日以降 | 1200万円 |
1997年4月1日以降に新築された建物であれば評価額から1200万円が控除されますので、不動産取得税を大きく減らすことができます。しかし、この軽減措置を適用するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 課税床面積が50㎡~240㎡
- 取得者の居住用かセカンドハウス用の住宅
- 1982年以降に建築されている、又は新耐震基準に適合している等
不動産取得税は新居に入居してから数カ月以内に届く納税通知書で支払いますが、事前に軽減措置の申告をしていなければ軽減前の税額が記載された状態で届きます。
原則として期限内に手続きをしていなければ軽減措置は受けることができず、その期限も都道府県の条例により異なります。事前に自治体のホームページを確認し、忘れずに軽減措置の手続きを行っておきましょう。
まとめ
不動産購入時にかかる税金の種類と軽減措置に関する情報をまとめて紹介してきましたが、参考になりましたか?
人生で最も大きな買い物である不動産の購入は、動く金額が大きいので支払わなければいけない税金も大きくなります。軽減措置を知っている知っていないでは支払う税金の額に大きな差が出てきますので、必ず軽減措置の期限、条件、方法などは押さえておきましょう。
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