- 抵当権付きの家の売却に興味がある。
- 売却する方法を知りたい。
- 注意点について詳しく知りたい。
このような疑問を解決します。
「家を抵当に入れる」「家が抵当に入った」など、ニュースや新聞、もしくはテレビドラマで誰もが一度は耳にしたことがあると思います。
抵当権付きの家と言うと、借金の方に家を取られるというネガティブなイメージを持っている人が大半ではないでしょうか?
たしかに抵当権付きと言うと、あまりよくないイメージが先行するかもしれませんが、特に不動産売買においては全く問題ありません。
実は、抵当権付きの家でも普通に不動産として売却することが可能なのです。
例えば、急な仕事の転勤、失業などのライフスタイルの変化によって、住宅ローン返済が難しくなる場合も考えられます。
ただし、抵当権付きの家を売却する時にはやるべきことと、いくつかの注意点があります。
今回は、抵当権付きの家を売却する際には、具体的にどのような方法をとればよいのかを、詳しく解説していきます。
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目次
抵当権とは?
不動産や土地を購入する際に、住宅ローンを利用する人が多くいます。
住宅ローンというと、1,000万円単位の多額のお金が動きます。
クレジットカードや消費者金融のように少額であれば、保証人は必要がありません。
住宅ローンは銀行や国庫などの大型融資となるため、氏名、年齢、収入などの個人情報で審査するのはもちろんですが、返済を保証するものが必要となります。
万が一、住宅ローンを組んだ人が毎月の返済を滞り、借金を返済できなくなった際に、代わりに担保の不動産や土地を売却したお金で返却するというのが抵当権の考え方です。
抵当権付きの家の売却とその方法とは?
抵当権付きの家はそのまま売却することができず、一度抵当権を外してから売る必要があります。
もし、前に家を所有していた人が住宅ローンの返済を怠った場合、金融機関によって競売にかけられ売られてしまう可能性があります。
まず、抵当権の抹消を行い、通常の不動産と同様に売買するための準備が必要になります。
抵当権の抹消方法には、3つの方法があります。
①自分の資金で借入金返済する
自分の貯金や手持ちの資金で、住宅ローンを全て支払い、抵当権を抹消する方法です。
住宅ローンを一括返済する場合には、金融機関ごとに異なる手数料がかかるので、総額でいくら必要になるのか、金額をしっかり確認しましょう。
手数料は数万円かかると考えておけば間違いないでしょう。
さらに、住宅ローン完済後は、司法書士に抵当権抹消手続きを依頼するのがスタンダードな方法です。
その場合、登録免許税と司法書士の報酬が発生することも念頭に置いておいてください。
②売却した資金で同時決済する
自己資金が乏しい場合には、抵当権付きの家を売却したお金が入った時に、住宅ローンを同時に完済するという方法もあります。
不動産売買の決済、抵当権抹消登記、所有権移転登記を全て同日に行わなくてはなりません。このような同時決済を認めていない金融機関も存在しますので、事前に確認しておきましょう。
抵当権付きの家の売主と買主、不動産会社、金融機関、司法書士など、手続きに関わる人達が一度に動くため、綿密な打ち合わせや事前にチェックも重要となります。
1つでも書類が欠けていた場合は、同時決済は成り立たなくなってしまうからです。
③任意売却をする
抵当権付きの家の売却は、基本的に住宅ローンが支払えなくなった場合に起こります。
金融機関によって、不動産は競売にかけられ、大体その金額は不動産相場より安くなってしまいます。
その時の不動産相場にもよりますが、値段にすると、数百万円変わる可能性があると言われています。
競売の場合、不動産市場価格の約7割ぐらいの価格になってしまいます。
それを防ぐために、任意売却とは金融機関に相談し、抵当権を予め抹消する手続きを依頼し、第三者に家を売却する方法を指します。
これによって、不動産相場に限りなく近い値段と市場価値で売却することが可能です。
こちらも同時決済と同様、金融機関が限られることと、信用情報機関に任意売却を行ったと言う信用情報が残るため、今後のローンを組み際に影響を及ぼすことになります。
④住み替えローンに乗り換える
借金の上にまた借金かと思う人もいるかもしれませんが、自己資金や売却した金額がローンの残金に満たなければ、他にお金を足さなければなりません。
その場合、金融機関と相談し、住み替えローンを組むという選択肢もあります。
住み替えローンは今住んでいる住宅ローンの残金に加えて、新しい家の住宅ローンを合算して借り入れをすることになります。
ただし、スピーディーに資金調達が可能な反面、金利が高くなるというデメリットがあるので注意が必要です。
抵当権付きの不動産売却の注意点とは?
抵当権付きの不動産売却の際の注意点とは、どのようなことがあるのでしょうか?
自分で売却する場合もありますが、親や兄弟が亡くなり相続する可能性もあります。
この機会に注意事項をよく確認し、抵当権付きの不動産売却の際に焦らないようにしましょう。
①相続税の課税対象となる
不動産相続というと、売却したらお金がたくさん入ってくるプラスのイメージがあると思います。
その一方で、抵当権付きの家を相続しなくてはならない場合もあります。
その場合はもちろん、住宅ローンがついてきますから、借金としてマイナスの相続をすることになります。
もし、抵当権付きのマイナスの不動産を相続した場合でも相続税は発生します。
しかし、マイナスの財産だけを放棄するわけにはいかず、プラスの財産も放棄しなくてはならなくなります。
さらに相続を放棄する場合には、3か月以内に相続放棄の意思表示と手続きが必要です。
住宅ローンの残金と自己資金、将来的な不動産価値や見込みなどを吟味し、早めに決断することが重要になります。
また、相続人の中には、不動産を直接相続していない相続人も含まれますので、しっかり相続人の中でも話し合いを行い、誰が返済の義務を負うのか責任を明確にしましょう。
そうしないと、直接不動産を相続していなくても、相続人全員に住宅ローンの支払いの義務が生まれます。
金融機関ときちんと話し合いを持てば、不動産の相続人のみが住宅ローンを引き継ぐことができます。
②抵当権を抹消する必要がある
前述したように、抵当権というのは前所有者が住宅ローンが支払えないと、金融機関によって差し押さえ、競売にかけられる恐れのある物件です。
だからといって、住宅ローンさえ支払えば、抵当権が自動的になくなるというわけではないのです。
抵当権の抹消という手続きをとってこそはじめて、抵当権が消滅し、一般的な不動産や住宅としての取引が可能になります。
③所有権移転登記は承諾がいる
抵当権付きの不動産を売却する際には、必ず金融機関の承諾が必要となります。
無断で第三者に売却することは法律で禁じられていますので、所有権移転登記をする際には金融機関に事前に相談しておきましょう。
④抵当権付きの家でも課税対象となる
相続税だけではなく、譲渡所得税(所得税·住民税)、印紙税、登録免許税の3つがかかります。
同時決済、任意売却も同様に、納税の義務は発生します。
ただし、マイホームを売却する場合、確定申告時に「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を使うことが可能です。
売却したお金の中から、最大3,000万円の控除ができます。
かなり金額が大きいのと、はじめての手続きで分からないことも多いと思いますので、税理士に依頼すると安心です。
抵当権抹消登記の方法とは?
それでは、抵当権抹消するための登記の方法を見てきましょう。
必要書類を準備し、法務局への登記手続きが必要になります。
必要書類はどの書類が1つ欠けていても、抵当権抹消登記が完了しません。
煩雑な手続きも多いため、自分で行うことも可能ですが、司法書士に依頼するとその道の専門家ですので、手続きを円滑に行うことができます。
費用は別途発生しますが、自分で自信がないという方は依頼してみるのも1つの方法です。
①必要書類の準備
住宅ローン完済後、金融機関から抵当権を抹消するための書類が送られてきます。
これらを印鑑と一緒に法務局に持参し、抵当権抹消の手続きを行うことになります。
- 弁済証書(住宅ローン完済したという証明書)
- 登記事項証明書
- 登記済証か登記識別情報
- 委任状
②法務局への書類提出
自分の住んでいる地域の管轄の法務局に出向き、必要書類と印鑑を使って手続きします。
抵当権抹消登記申請書類を受け取り、必要事項を記入して、持ってきた書類と一緒に提出します。
手続きはオンラインでも窓口でもどちらでも可能ですが、はじめての方は色々聞きながら手続きを進められるので、窓口利用の方がいいでしょう。
③登記完了証受領
申請書や提出書類に不備がない場合、特に法務局から連絡はありません。
登記完了予定日が来たら、法務局へ登記完了証を取りに行くか、郵送手続きを事前に行い、郵送で送ってもらいます。
この証書の受け取りと同時に、抵当権抹消が完了するというイメージです。
まとめ
抵当権付きの家でも、抵当権を抹消してしまえば、普通の不動産同様に売却することができます。
自己資金、新たな住宅ローンの借り入れ、不動産売却の際にかかる税金や費用などキャッシュフローの問題と、相続の場合の相続税などの税金、確定申告などのお金の部分がクリアできれば、何ら難しい手続きはありません。
信頼できる不動産会社や金融機関、司法書士や税理士などの助けを借りて、手続きを行うことでさらに安心して手続きを進めることができます。
この記事を参考に抵当権の抹消手続きを進めてもらえれば幸いです。
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抵当権付きの不動産売却に関するよくあるご質問
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。